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研究テーマ

有機エレクトロニクス 

 

 有機半導体は、水素、炭素、酸素、窒素などの軽元素が主要な構成元素であり、その特長として、軽量、柔軟、穏やかな環境での形成が可能、物性制御性の多様さ、などが挙げられます。この有機半導体を用いて、発光ダイオード、太陽電池、トランジスタなどを作製することで、無機半導体で作製したデバイスとは一味違った機能や性能をもたせることができると期待されています。

 当研究室では、有機エレクトロニクスデバイスに関連する以下のテーマについて研究しています。

1.太陽電池

 現代社会は、テクノロジーの進歩によってとても便利な暮らしが送れるようになっていますが、その便利さと引き換えに大量のエネルギーが消費されています。これからも便利な暮らしを続けるためには、消費型のエネルギーではなく、再生可能なエネルギー(枯渇しない、簡単に取り出せる、環境への影響がない)を使う必要があります。

 再生可能なエネルギー源の一つに太陽があります。太陽光を利用して電気エネルギーを生み出す太陽電池は、これからの社会をうまく回していくために必要な技術の一つです。私たちの研究室では、次世代の太陽電池として期待されている有機薄膜太陽電池に関する研究として、

(1) 有機薄膜太陽電池の動作機構の探求

(2) 透明有機太陽電池の開発

(3) ペロブスカイト型太陽電池材料の改良

を行っています。

 

 

​当研究室で作製した半透明太陽電池

2. カーボンナノチューブシート(こちらのテーマは現在中断中です)

 

 炭素が一原子層分の厚さで平面上に規則正しく並んだ構造を持つ物質をグラフェンと呼びますが、このグラフェンが数ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)程度の径を持つ筒状になったものがカーボンナノチューブです。カーボンナノチューブの筒は一重のものもあれば、二重や三重といった多層構造になっているものもあります。当研究室では、このカーボンナノチューブが絡み合いシート状になったカーボンナノチューブシートを使ったデバイスの可能性について研究を進めています。

研究室の運営方針

 当研究室では、「楽しい*」卒業研究をしてほしいと思います。自分で目標を設定し、一年間を通して一つのことに集中して取り組み、自分でもよくやったなと満足できる卒業論文を書いて、楽しかったといえる期間にしてください。教員は全力でサポートします。

*どういうことが「楽しい」かは人それぞれだと思いますが、「できるだけ楽に(何もせずに)卒業研究を済ませるのが楽しい」という場合は、当研究室の卒業研究は楽しくないと思います。

 卒業研究は、基本的に個人個人に研究テーマが割りふられ、教員の指導のもとで進めていきます。(ただし、テーマは個人個人ですが、実験は複数名で協力しながら行います。)卒業研究では、有機エレクトロニクスに関するテーマについて実験を行いますが、卒業後も同じような仕事をすることは非常に稀です。こういうと、卒業研究をする意味が無いように思えるかもしれませんが、卒業研究の意義は一過性のものではなく、卒業研究という過程を通じて卒業後も使える「仕組み」を身につける機会ととらえてほしいと考えています。

卒業研究を通して身につけてほしいこと

 新しい専門知識の学び方

 短期目標の設定と達成度評価のパターン化

 定期的な現状確認

 卒業後に技術職や研究職に就きたいと考えている人は、是非大学院への進学を検討してください。大学院の修士課程(前期博士課程)は2年間あります。卒業研究の2倍の期間をかけて一つの研究テーマに取り組むことになりますが、得られるものは2倍以上になるはずです。専門知識を掘り下げる、新しい問題設定を考える、といった研究者としての素養を身につけるとともに、学部生のメンターとして、2~3名のチーム管理の経験を積むということができます。

修士課程を通して身につけてほしいこと

 専門知識の掘り下げ方

 専門知識を聞き手に合わせて説明する方法

 中期目標から逆算した短期目標の設定方法

 上で書いた身につけてほしいことは、社会に出てからも役に立つ技術です。技術なので、やり方さえ学べば身につけることができます。教員は、卒業研究や修士論文の指導過程でこの技術を伝えます。卒業後、社会に出たときに自分の能力を十分に発揮してもらうため、是非、当研究室で楽しい研究生活を送ってください。

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